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肩関節外科医の一喜一憂

エピソード3


今回反復性肩関節脱臼を患い,2年前に手術をした小西さんという方が診察にきてくださり以下のようなサプライズをしてくださりました。実名をだしてくださいとご両親やご本人に言われたので、私の喜びの気持ちからご報告させてもらいます。
彼女には下記Pageのような『スクリューを用いない烏口突起移行術』を施行しました.
http://shoulder-doctor.net/sick/sick_3-2.html
 
2年前にはすでに考案したスクリューを用いない烏口突起移行術をおこなっていました。
順調にスポーツ復帰をしていましたが、柔道をしているので何がおこるかわかりません。
順調な経過を術後おくってもあるとき怪我などでまた脱臼をしてしまうことも時々あるのが肩の脱臼の手術後の合併症の一つです。治療に絶対のないのが医学。すこしでも合併症を低くして、元気にすごしてもらうことが整形外科の仕事です。
 
診察は検査、体の動きをチェックして
森 『いいですね、順調で術後2年でいい経過です。2年たって経過もいいから一度定期観察終了しましょうか』
小西さんの父 『実は先生に報告したいことがあります。ほら、お前から言いなさい』
小西さん 『こないだの大会で優勝しました。この階級でできるとは思いませんでした。これは賞状とメダルです』
小西さんの母 『肩の脱臼の手術をしてここまでなるとは思いませんでした』
小西さんの父 『せっかくですから記念撮影してください』
小西さんの母 『二人での写真もとってください』
小西家 『とにかく本当にありがとうございました』
森 『本当によかったね、もう大丈夫だし、忙しいからもう病院にはこなくていいよ。何かあったら来てね』
小西さんの母 『さみしいです。まだこさせてもらってよろしいでしょうか』
森 『わかりました。ではまだまだ経過観察させてもらいます。メダルをたくさんもってきてくださいね。』
 
手術をする前は両肩手術するのに不安でありました.チームからも肩の手術はうまくいかないこと結構あるよと言われて不安をうちあけていました.必ず復帰させてあげるからと言葉をかけました.彼女は自分のプレーに自信をもっています。
そして私も自分のスクリューを使用しない烏口突起移行術にさらなる自信がつきましたが、それでも無事すごしてねと想う気持ちは消えません。しかし、このようなサプライズをしてくださった小西さんに感謝を申し上げます。お互い更なる高みをめざしましょう。

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肩関節外科医の一喜一憂


外科医の体験、外科医がどう考えているかなどを紹介するコーナーです。