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手術を迷われる方へ

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手術を迷われる方へ


 
手術を医師にすすめられて、迷われている方のために私が外来で行っている一つの方法をお伝えします。

 
それは、手術を受けるか迷われている方に手術をすでに受けた方を引き合わせて、外来の待合室でトコトン話し合ってもらうようにしています。
 
手術を受ける前の気持ち、なぜ手術を受けたのか、手術後の経験談、手術後本当に症状はよくなったかなど、迷われている方がなんでも聞けるように、手術をすでに受けた方に協力を仰いでします。
 
なぜ、私がこのような環境を作るかというと、手術を受けられた方の体験談に勝るものはないと思っているからです。人はえてして、自分を客観的にみることができません。私も手術が必要だと判断した場合には、患者さんが症状を改善するためには手術をすすめます。しかし、患者さんにとって手術を決めるのは大変勇気がいることです。過去の患者さんのデーター、医学的見解、世界のさまざまな研究施設から報告されている事例などを引き合いにだして説明します。しかし、口コミや、患者さんの実体験に基づく話が一番重いものだと思っています。
 
 手術を受けるか迷われている方と手術を受けた方との話し合いは、どのような内容が話されているか私は全く知りません。また、手術を受けた方の私の選択も適当に決めています。外来の中で、たまたま来られている方で手術をすでに受けられた方に協力してくれるかお願いします。「手術を迷われている方がおられるのですが、手術の経験や今に至ることなど時間の許す限りで結構です。待合室で体験談を、手術を迷われている方にお話してもらえないですか」とお願いします。手術を受けた方が私の申し出に了承されたら、待合室で、手術を迷われた方と話をしてもらいます。外来で診察にこられた方に声をかけていますので、偶然もあります。したがい、数人の意見を聞くほうがいいこともお伝えします。それは手術の経過は、千差万別であるからです。
 
これまでの私の経験では、話を聞かれた方は迷いがなくなっています。しかし、最後に私は以下の事もお伝えしています。「お話された方の体験もあくまで一例であります。私のおこなった手術も100%の患者さんが満足しているわけではありません。従い、後悔のない選択をしていただければと思っています。」
 
私のとっている方法はあくまで私の一例です。そのような話し合いができなくても、待合室で、手術に関する話を患者さん同士で話をされている事も多々ありますので、そのような話を聞いてみるのも有用だと思います。
 
ぜひ、後悔のない選択をしてください。あらゆる情報を得てから手術を受けてください。

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