反復性肩関節脱臼
どんな病気?
肩の脱臼が何度もおこる病気です。
症状
主要な症状
・肩が抜けそうな感じがする、嫌な感じがあり,怖くて腕を挙げれない
・脱臼した瞬間に強い痛みが生じ、音がすることもある
・肩の形状に左右差が生じることもある
・痛みにより手を挙げられなくなる
反復性肩関節脱臼の方の病態は、関節窩という上腕骨の受け皿につく靭帯がはがれるバンカート損傷というものが生じます。普段の肩は靭帯が緊張して、肩が受け皿からはこぼれおちない(脱臼しない)ように働きますが、バンカート損傷が生じると靭帯は緊張しなくなります。
治療
この病気は完治には手術が必要です。手術は鏡視下Bankart(バンカート)修復術をおこないます。この手術は糸つきのビスをつかい、緩んだ靭帯を元の状態に戻します。
しかし、手術が受けられない事情のある方には脱臼予防装具を処方します。しかし、絶対的な治療とは言い難いのは確かです。
コンタクトスポーツの選手にはその手術を選択する施設もあります。しかし内視鏡手術のコンセプト(悪いとこを治す)と異なります。
上図は鏡診下バンカート法のイラストです。靭帯を剥離し、アンカーを4つうちこみます。アンカーについた糸を靭帯にとうして、縫合するのです。
手術の写真を示します。
靭帯に糸がとおり、その糸をしばると靭帯は骨にくっつきます。
さて再脱臼をスポーツ選手が防ぐには何が大事でしょうか。手術の完成度が成績に大きく作用するのは間違いありません。しかしそれだけでは、ラグビーやアメリカンフットボールなどのコンタクトスポーツでは再脱臼する恐れがあります。それは肩の脱臼する腕の肢位、位置の解釈と、その肢位にならないように肩甲骨、胸椎の伸展をうまく引き出す必要があります。
肩の病気
様々な肩の病気を解説しています。自分がどの病気に該当するかおおまかな目安にしていただければと思います。